重要なお知らせ

下肢静脈瘤センター

2022年3月より池上総合病院にて下肢静脈瘤センターを開設しました。

以前から当院でも下肢静脈瘤専門外来を行っていましたが、診療をしていると下肢静脈瘤を含む静脈の病気は何科にかかったら良いか困っている患者様が多く、「気になっていたがどこに相談すれば良いか分からなかった」「かかりつけの先生に聞いたらストッキングを勧められただけでどうして良いか分からず困り果てていた」というお話を聞くことが多くありました。そのためより多くの患者様に静脈瘤について知って頂き、気軽に受診しやすくするために、当センターを立ち上げました。
来院されたすべての患者様に満足されて帰っていただくことを目指して常に努力していきたいと考えております。 まずはお気軽に相談にお越しください。スタッフ一同心よりお待ちしています。

下肢静脈瘤
下肢静脈瘤

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は足の血管の病気です。下肢とは足のことで、静脈瘤は血管(静脈)が文字どおりコブ(瘤)のように膨らんだ状態のことをいいます。

下肢静脈瘤
正常な静脈弁
下肢静脈瘤
壊れた静脈弁(弁不全)

命に関わる怖い病気ではありませんが、足の血管が浮き出ている、就寝中に足がつって目が覚める、足がだるくて重い、足がむくむ、足のかゆみ、足の色素沈着などといった症状の原因となり、QOLに関わる病気です。お一人で悩まれるのではなく、まずは気軽にご相談ください。

診断チェックリスト

  • 足の血管が浮き出て見える
  • ふくらはぎがだるい・重苦感
  • 足のむくみがある
  • 足がつることがある
  • 足がほてる・熱く感じる
  • 足のむずむず感・不快感がある
  • 足のかゆみ・湿疹がある
  • 足の色素沈着がある
  • 足の腫瘍がある

見た目でわかる、4タイプの下肢静脈瘤

4タイプの下肢静脈瘤
伏在型
4タイプの下肢静脈瘤
側枝型
(軽症例)
4タイプの下肢静脈瘤
網目型
(軽症例)
4タイプの下肢静脈瘤
くもの巣状
(軽症例)

画像引用元:日本コヴィディエン

治療方法

静脈瘤のタイプ・患者さんの状態によって治療法は異なります

保存的療法 生活習慣改善や弾性ストッキングなどで症状改善させたり、症状進行の予防を行う
硬化療法 静脈瘤に薬を注射して固める治療
手術 対象の静脈を引き抜くストリッピング手術が代表的
血管内治療 高周波(ラジオ波)またはレーザー等を使って血管内治療を行います。これは治療に伴う痛み・発熱・出血などをできるだけ少なくする低侵襲的治療であり、患者さんへの身体的負担も少なく、治療後の回復も早いのが特長です。

当院では高周波アブレーションカテーテル治療・血管内塞栓術(ベナシール)を行っています

当院の血管内治療では専用の高周波アブレーションカテーテル治療機器を使用しております。

高周波アブレーションカテーテル治療

高周波アブレーションカテーテル治療の特長

  • 短期間の入院で治療が行える
  • 局所麻酔で行える
  • 傷跡はカテーテルを挿入する小さな開口部のみのため、目立ちにくい
  • 患者さんへの身体的負担が少ない

血管内塞栓術(ベナシール)治療の特長

最新の治療として、血管内塞栓術(VenaSeal)も大田区で唯一導入しています。
血管内塞栓術(ベナシール)とは、下肢静脈瘤の治療法としてカテーテルを用いた血管内レーザー焼灼術、ラジオ波焼灼術につぎ新たに2019年12月よりグルーによる血管内塞栓術が厚生労働省に認可されました。この治療法は「下肢静脈瘤血管内焼灼術実施・管理委員会」が定める施設基準に適合し所定のトレーニングを受けた認定医しか実施できないためまだ少数の施設でしかできない治療法です。

診察・治療の流れ

治療に関しては、近年は血管内焼灼術(レーザー治療、高周波治療)による日帰り治療が主流になっており、それを専門におこなっている病院も数多くあります。当院では日帰り治療はもちろん、患者様のニーズに合わせて入院対応も可能です。手術の選択肢も血管内焼灼術に限らず対応できるため、患者様の状態・希望に合わせた治療を行っています。また最新の治療として、血管内塞栓術(VenaSeal)も大田区で唯一導入しています。
また当院では心臓血管外科専門医、血管外科専門医が常在しており心・血管領域の疾患に対してはすべて対応が可能のため、より安全・安心の医療を提供しています。

1. ご予約

お電話でご予約ください。

2. 初診

問診、診察をします。検査(超音波検査、CT)の予定をたてます。

3. 検査説明、手術予約

検査結果の説明、手術予定をたてます。手術方法、麻酔(全身麻酔、局所麻酔)、入院、日帰りなどを決めます。

4. 手術

手術方法などで日程が異なるため適宜説明致します。

5. 術後検診

翌日、もしくは2日後に診察、超音波検査を行います。

6. 術後検診

約1週間後に創部の確認を行います。
約1ヶ月後に創部の確認、超音波検査で治療効果の判定を行います。

下肢静脈瘤外来

担当医師 矢尾 尊英
診療日 月曜日午後

下肢静脈瘤治療について治療・診察をご希望される方は、当院の心臓血管外科外来までお越し下さい。

ご予約・お問合せ

0120-56-0356

〈受付時間〉月〜金 8:30〜16:00(祝日除く)

入院手術実績件数

2023年度 2022年度 2021年
下肢静脈瘤血管内塞栓術 144 96 3
下肢静脈瘤血管内焼灼術 2 2 26
下肢静脈瘤手術 22 20 28
内訳 抜去切除術 11 9 17
硬化療法 0 1 0
高位結紮術 11 10 11
合計 168 118 57

5/13 第16回医療講演にて下肢静脈瘤について解説しました。

休診代診

現在、予定されている休診はありません。

所属医師

所属医師

心臓血管外科副科長、大動脈副センター長、下肢静脈瘤センター長
矢尾 尊英 (やお たかひで)

心臓血管外科、心臓血管センター、大動脈センター、下肢静脈瘤センター

資格など 日本外科学会認定 外科専門医
胸部ステントグラフト実施医
腹部ステントグラフト実施医・指導医
下肢静脈瘤に対する血管内治療実施基準による実施医
身体障害者福祉法指定医(心臓機能障害)

外科系診療部長、心臓血管外科科長、大動脈センター長、心臓血管センター長、下肢静脈瘤副センター長
大熊 新之介 (おおくま しんのすけ)

心臓血管外科、心臓血管センター、大動脈センター、下肢静脈瘤センター

略歴 東邦大学医学部外科学講座心臓血管外科学分野 講師
資格など 医学博士
日本外科学会認定 外科専門医
三学会構成心臓血管外科専門医・修練指導医
日本脈管学会認定 脈管学会専門医・指導医
胸部・腹部ステントグラフト指導医
浅大腿動脈ステントグラフト実施医
臨床研修指導医
医師の臨床研修に係る指導医講習会修了医
身体障害者福祉法指定医(心臓機能障害)
難病指定医

センター