病理診断科長
山下 淳史 (やました あつし)
病理診断科
資格など | 日本病理学会認定 病理専門医・指導医 日本臨床細胞学会認定 細胞診専門医 死亡解剖資格適格者 |
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病理診断検査・病理診断・病理医とは
患者さんのからだから採取された組織や細胞から、顕微鏡観察用のガラス標本を作製し、特殊な試薬で染色し、顕微鏡で観察する検査を病理検査、その結果を病理診断といいます。この病理診断を専門とする医師が病理医です。
病理検査には以下のようなものがあります。
当院では、2017年4月より、常勤病理医による病理組織検査(生検組織診断、手術で摘出された臓器・組織の診断)を行っています(手術中の迅速診断、病理解剖は都立荏原病院で対応していただいております)。
生検組織診断では、胃や大腸の内視鏡検査や乳腺エコー検査で発見された病変の一部を採取し、良悪性の判断や炎症の程度を調べます。手術で摘出された臓器・組織の診断は肉眼で病変の部位・大きさ・性状・広がりを確認し、診断に必要な部分を必要な数だけ切りとります。その後、国家資格を有する臨床検査技師がこの臓器・組織の顕微鏡標本をつくり、病理医が顕微鏡で観察し、病変の性質、広がり、脈管浸潤の有無や進行具合(リンパ節転移の有無や数など)、手術で完全に取り切れているかどうか、追加治療が必要かどうかを調べます。さらに、病変によっては免疫組織染色(悪性腫瘍の有する特定の物質にだけ陽性を示すマーカーを特異的に染め出す技法)を行います。この方法を実施することにより、悪性腫瘍の場合は、腫瘍の性質の詳細や治療薬の選択に有効な情報が得られます。たとえば、乳癌のHER2蛋白の過剰発現の有無やホルモン受容体の発現の有無、あるいは、悪性リンパ腫の分類は、病理医が判定しています。
病理医によりなされた病理診断は臨床医に届けられ、治療方針決定や経過の予測に生かされます。組織や細胞の採取は、外科医・内科医・産婦人科医などの臨床医が行いますが、採取された組織からつくられた標本を顕微鏡で観察して診断するのは病理医です。病理医は、基本的には直接患者さまと接することはありませんが、病理診断を介して、日常診療業務を支えています。臨床診断と病理診断がかみ合わない場合は、臨床医と病理医が検討しあうことで、診断がより正確になります。精度の高い診断を行うためには、臨床医と病理医の連係が欠かせません。病理医は臨床診断が独断専行しないように、さらに医療が適正に行われるための、助言監査役としての役割もあります。しかし、現状での病理医の常勤は、病理専門医の絶対数の不足により、規模の大きな病院に限定されてしまっています。したがって、常勤病理医がいる病院は、自浄機能を備えた良心的で精度の高い医療を提供している大きな証拠であるとも言えます。
病理診断科
資格など | 日本病理学会認定 病理専門医・指導医 日本臨床細胞学会認定 細胞診専門医 死亡解剖資格適格者 |
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