2021年4月より心臓血管外科の新チームが発足しました。
新たな心臓血管外科チームが池上総合病院ハートセンターの一員となり、ハートチームをより強化します。 これまでに当院循環器内科では虚血性心疾患、心臓弁膜症、不整脈治療などに対する治療を多く行われ、実績を積んでいます。
それらの疾患のなかでも外科治療が最適と考えられる患者様や外科治療の必要な大動脈疾患(大動脈瘤、大動脈解離)に対してもハートチームで検討し、患者様一人一人に安心、安全、最適な治療を目指します。また、東邦大学医療センター大森病院心臓血管外科と提携し、低侵襲な治療などより高度な治療を提供します。
2022年10月より急性大動脈スーパーネットワークに加盟いたしました。
急性大動脈スーパーネットワークは急性大動脈解離や大動脈破裂といった疾患に対して緊急診療体制をとり、効率的に患者の受け入れを可能とし、死亡例を減少させ、都民の健康維持に寄与することを目的として2010年にスタートしました。
加盟するためには診療体制をはじめ、一定以上の治療実績が必要など厳しい基準をクリアする必要があります。2021年より心臓血管外科の新チームを発足し積極的に救急搬送を受け入れてきたことが評価され、1年半で緊急大動脈支援病院に加盟することができました。
参加病院は緊急大動脈重点病院(14施設)と緊急大動脈支援病院(28施設:2022年4月)より構成され、当院は2022年10月より急性大動脈疾患の入院、手術を優先的に受け入れ可能な「緊急大動脈支援病院」として参画いたします。
当院心臓血管外科では24時間365日体制で緊急大動脈疾患の患者を受け入れる診療体制を整え、地域の緊急医療に貢献できるよう努めて参ります。
「名医のいる病院2023」に心臓血管外科 大熊新之介医師が掲載されました。
医療新聞社「最新治療データで探す名医のいる病院2023」に心臓血管外科 大熊新之介医師が掲載されました。
大動脈瘤・大動脈瘤解離の診断と治療についての特集記事が掲載されており、大動脈瘤・大動脈瘤解離地域ランキングでも
当院が31位にランクインされています。
「日本が誇るビジネス大賞2023」に心臓血管外科 大熊新之介医師が掲載されました。
最前線医療の現場と頼れる専門ドクターの掲載ページに、ステントクラフトのスペシャリストであり、心臓血管系疾患に対して、チーム医療で身体への負担が小さい低侵襲治療の実績を重ねていると紹介されています。
「心臓血管外科医師に1日密着」の動画を公開しました!
心臓血管外科の特長
狭心症に対する冠動脈バイパス術
虚血性心疾患とは、心臓周囲の血管の狭窄や閉塞により、心臓の筋肉への血流が不足することで、心筋が虚血状態となった病態です。
冠動脈狭窄、閉塞病変に対する治療は、カテーテル治療と冠動脈バイパス手術があります。カテーテル治療ではリスクが高い症例や困難な症例に対して、冠動脈バイパス手術を積極的に行います。人工心肺を使用するオンポンプ手術と使用しないオフポンプ手術があり、患者様の状態により選択しております。当院のハートチームでより最適な治療法を検討し患者様に提案いたします。
心臓弁膜症に対する弁形成術、弁置換術
心臓の血流が一方向に流れる仕組みの弁に異常がある疾患が心臓弁膜症です。
心臓雑音で発見されることが多く、その際にはご相談ください。主に大動脈弁、僧帽弁、三尖弁に異常が起こることが多く、それぞれに弁置換術や弁形成術を行います。
弁には、機械弁、生体弁があります。機械弁は耐久性に優れていますが、血液が固まらないようにする、ワーファリンを内服する必要があります。
一方で、生体弁は最初の3か月程度ワーファリンを内服しますが、その後は内服をやめることができます。しかし、生体弁は劣化して再手術となる場合があります。患者様の年齢や病状の背景などで患者様と相談し決定します。
東邦大学医療センター大森病院と連携し、低侵襲治療 MICS (Minimally Invasive Cardiac Surgery) やTAVI(Transcatheter Aortic Valve Implantation)を行います。手術リスクが高く、様々な外科治療が困難な場合には、当院循環器内科で PTAV(Percutaneous Transcatheter Aortic Valvuloplasty)を積極的に行っております。ハートチームで検討し、最適な治療を患者様に提案いたします。また、同時に不整脈治療や、脳梗塞予防の左心耳閉鎖手術も行います。
弁膜症 症例
大動脈疾患に対する人工血管置換術、ステントグラフト内挿術
大動脈瘤と大動脈解離に対して治療を行います。
大動脈瘤
動脈瘤は症状がないことが多く、レントゲンや CT で偶発的に発見されることが多いです。
胸部の場合、声がかれる(嗄声)や飲み込みが悪いなどの症状がある場合があります。
腹部の場合は、痩せている方は拍動のあるこぶが腹部に触れることがあります。破裂した場合は、非常に危険なため、早期に発見し治療をする必要があります。
大動脈解離
突然発症する疾患で、大動脈に亀裂が入り、血管が裂ける病気です。
Stanford A型とB型に分類されますが、心臓の近くの大動脈が解離したA型の場合、緊急手術が必要な場合が多くいです。B型解離の場合は入院加療を要し、必要であれば手術を検討すべき疾患です。
治療方法
人工血管置換術とカテーテルによるステントグラフト治療を行います。
患者様の年齢や動脈の状態で治療方法を提案します。破裂や解離など緊急性の高い疾患に対しては、24時間対応で緊急手術を行います。
また、2021年4月より大動脈センターも開設し、他院で診断された動脈瘤破裂や大動脈解離の患者様を当院の救急車での送迎システムを構築しております。
また大動脈専門外来も土曜日の午前に行っており、腹部診察での動脈拍動、超音波、レントゲンやCTで動脈瘤が疑われる場合や、精査が必要な場合でもご紹介ください。
大動脈センター
末梢血管疾患に対する治療
動脈硬化による下肢動脈の狭窄/閉塞により、歩行時の下肢の痛みが出現します。脊椎疾患と同じような症状を引き起こしますが、足先への血流がない場合には本疾患を疑います。
カテーテル治療、人工血管によるバイパス手術など患者様に合わせた治療を行います。また、急性に動脈が閉塞した場合には、発症してから 4 時間~6 時間で治療を行わなければなりませんので早急にご相談ください。
下肢静脈瘤に対する治療
下肢静脈血流の逆流により、静脈瘤が形成されます。美容のみならず、下肢むくみやこむらがえりなどを引き起こす場合があります。静脈を超音波で確認し、治療法を判断します。当院では積極的に高周波による治療を行っております。静脈瘤専門外来は月曜日午後です。
下肢静脈瘤センター
診療実績
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    |  | 2024年度 | 2023年度 | 
    
    
    
    | 入院延患者数 | 11,256名 | 9,803名 | 
    
    | 平均在院日数 | 25.51日 | 25.92日 | 
    
    | 外来延患者数 | 4,286名 | 3,566名 | 
    
    
 
手術実績
入院手術実績件数
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| 術式 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 
| ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) | 85件 | 66件 | 56件 | 40件 | 
| ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) | 61件 | 63件 | 34件 | 35件 | 
| ステントグラフト内挿術(腸骨動脈) | 3件 | 7件 | 7件 | 3件 | 
| 大動脈瘤切除術 | 124件 | 101件 | 74件 | 38件 | 
| 冠動脈、大動脈バイパス移植術 | 21件 | 17件 | 6件 | 10件 | 
| 弁置換術・弁形成術 | 59件 | 54件 | 29件 | 28件 | 
| 不整脈手術 | 7件 | 8件 | 5件 | 1件 | 
| 血管移植術、バイパス移植術 | 30件 | 21件 | 20件 | 17件 | 
| 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) | 50件 | 56件 | 38件 | 5件 | 
| 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 8件 | 31件 | 22件 | 13件 | 
| 動脈疾患手術(形成、吻合及び血栓除去) | 32件 | 10件 | 4件 | 3件 | 
| 下肢静脈瘤手術 | 136件 | 168件 | 118件 | 57件 | 
| その他手術 | 29件 | 21件 | 32件 | 6件 | 
| 合計 | 645件 | 623件 | 445件 | 256件 | 
 
心臓・胸腹部大血管手術件数
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| 手術 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 
| 冠動脈手術(CABG) | 21件 | 17件 | 6件 | 10件 | 
| 弁膜症手術(弁置換・弁形成) | 59件 | 54件 | 29件 | 28件 | 
| 大動脈瘤手術(open stent・開胸) | 124件 | 101件 | 74件 | 38件 | 
| ステントグラフト内挿術(TEVAR・EVAR) | 149件 | 136件 | 97件 | 78件 | 
 
医療講演
5/13 第16回医療講演 動画
大動脈瘤について解説しました。
下肢静脈瘤について解説しました。
 
患者様の声
             
      休診代診
              現在、予定されている休診はありません。
                  
              担当医表
      
              心臓血管外科
                            
急遽、担当医が変わる場合がございますのでご了承ください。
女性医師
 
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                           所属医師
    
  
  
         
  
  
  
          副病院長、心臓血管外科科長、大動脈センター長、心臓血管センター長、下肢静脈瘤副センター長
          大熊 新之介              (おおくま しんのすけ)
          
    
    心臓血管外科
        
      
                  
        | 略歴 | 東邦大学医学部外科学講座心臓血管外科学分野 講師 | 
                  
        | 資格など | 医学博士 日本外科学会認定  外科専門医・指導医
 三学会構成心臓血管外科専門医・修練指導医
 日本脈管学会認定  脈管専門医・指導医
 胸部・腹部ステントグラフト指導医
 浅大腿動脈ステントグラフト実施医
 臨床研修指導医
 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了医
 身体障害者福祉法指定医(心臓機能障害の診断)
 難病指定医
 | 
                
   
  
         
  
  
  
          心臓血管外科副科長、大動脈副センター長、下肢静脈瘤センター長
          矢尾 尊英              (やお たかひで)
          
    
    心臓血管外科
        
      
                        
        | 資格など | 日本外科学会認定  外科専門医 日本脈管学会認定  脈管専門医
 胸部ステントグラフト実施医
 腹部ステントグラフト実施医・指導医
 下肢静脈瘤に対する血管内治療実施基準による実施医
 身体障害者福祉法指定医(心臓機能障害の診断)
 | 
                
   
  
         
  
  
  
          科員
          布井 啓雄              (ぬのい よしお)
          
    
    心臓血管外科
        
      
                        
        | 資格など | 日本外科学会認定 外科専門医 腹部ステントグラフト実施医
 下肢静脈瘤に対する血管内治療実施基準による実施医
 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了医
 身体障害者福祉法指定医(心臓機能障害の診断)
 難病指定医
 | 
                
   
  
         
  
  
  
          科員
          判治 永律香              (はんじ えりか)
          
    
    心臓血管外科
        
      
                        
        | 資格など | 日本外科学会認定  外科専門医 胸部ステントグラフト実施医
 腹部ステントグラフト実施医
 | 
                
   
  
         
  
  
  
          科員
          杉山 滉一              (すぎやま こういち)
          
    
    心臓血管外科
        
   
  
         
  
  
  
          非常勤、テクニカルアドバイザー
          藤井 毅郎              (ふじい たけしろう)
          
    
    心臓血管外科
        
      
                  
        | 略歴 | 東邦大学医学部外科学講座心臓血管外科学分野 教授 | 
                  
        | 資格など | 医学博士 三学会構成心臓血管外科専門医・修練指導医
 日本外科学会認定  外科専門医・指導医
 日本脈管学会認定  脈管専門医
 日本胸部外科学会認定医
 日本血管外科学会認定  血管内治療医
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